英語教育記事
TOEIC900点を目指してみよう!
2:900点を取るための戦略―リスニングパート
3:900点を取るための戦略―リーディングパート
4:必死に勉強して900点突破、努力は実る!
5:まとめ
1.TOEIC L&Rの900点レベルとは
日本には様々な英語の検定試験があります。皆さんが学生の頃に最も関わったのは「英検」かもしれませんね。
英検は2次試験も含めれば「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能を測定できます。対してTOEIC L&Rは「読む」「聞く」の二つの技能しか測定することができません。近年は「TOEIC S&W」という「書く」「話す」も測定できる試験もできましたが、こと求人に関して採用要件としているところは少ないようです。
今回はいよいよTOEIC900点突破の方法についてお伝えいたしますが、900点はあくまで「読む」「聞く」の実力であって、英語上級者としてはまだ入り口段階であるということを認識しておきましょう。
さて、「900点」という数字は、英語の高度な知識を要する求人の採用要件として時折設定されています。英語教師の求人でも、高偏差値の学校や国際系コースの教員採用などに採用要件として「TOEIC900点以上」と記載されていることがあります。
前回のコラムでは英語と丁寧に接することの大切さをお伝えしましたが、900点を超えるためには丁寧さに加えて「速さ」が求められます。丁寧さと速さの両方が求められるなんてなんだか矛盾しているように思えますよね。しかし900点を超えるためには、英語を「速く正確に」理解することがどうしても必要なのです。では、900点突破の方法を今回もパート別にご紹介いたします。
2.900点を取るための戦略―リスニングパート

「リスニングは苦手で…」という方はリーディングにばかり集中して勉強してしまいがちなのですが、TOEICに関してはそれは非効率であると言わざるを得ません。900点突破を目標とするためにも、リスニングパートはむしろ得点源として考える必要があります。まずは点数を上げやすいリスニングパートに取り組んでみましょう。
それでは今回はPart4の戦略についてお伝えします。以下、例題です。
71. What is happening this weekend?
(A) A meeting will be held.
(B) A festival is taking place.
(C) A school will host the event.
(D) A new theater will open.
72. What can participants do on Sunday?
(A) View works by local artists
(B) Enjoy complimentary refreshments
(C) Meet filmmakers from other countries
(D) Obtain free entry to a park
73. How can listeners take advantage of a special offer?
(A) By joining an event
(B) By parking in a designated area
(C) By registering on a Web site
(D) By purchasing tickets
Part4は話者1人のスピーチを聞いて問題に答える形で、問題文や選択肢はPart3に比べて少し複雑です。問題文は前回のコラムでお伝えした通りに先読みしてください。「1番目は週末に何があるか、2番目は日曜日に参加者は何ができるか、3番目はどうすればスペシャルなオファーが受け取れるのか(このようにカタカナ語で理解することもあります。こちらも急いでますからね)」このようにざっくりと問題を理解しておきます。
以下、テスト時のPart3・4の解答手順をご紹介します。
1.Directionが流れている間に1問目の問題文を先読みする。
2.会話(スピーチ)を聞きながら順番に解答を行う。
3.問題文を読み上げている間に次の問題を先読みする。
最初のDirectionを聞く必要はありません。その間に先読みをし、リズミカルに問題を解くことが大切です。この時に聞き取れなかった問題は気になりますが、手早く解答をマークして次の問題に取り掛かりましょう。とにかく問題を解くリズムを崩さないことが大切で、私に至ってはリズムを崩さなかったことでスコアアップできたと思っているくらいです。このリズムを身に着けてリスニングパートで満点を目指しましょう!
3.900点を取るための戦略―リーディングパート

900点を目指す皆さんであれば、リーディングパートでも450点は超えておきたいところ。そのためには多くの英文を「速く正確に」読む必要があります。今回はPart7を取り上げて解説を行いたいと思います。
Part7は1~3つのパッセージを読んで問いに答えるというものです。時間切れで最後まで解けなかったという方が多いパートがこのPart7ですね。そうならないためにも、Part7に来るまでに55分は残しておきたいところです。そして問題に取り掛かる際、最初に必ず見てほしい個所があります。それは問題導入文です。例えば以下のようなものが該当します。
Questions 191-195 refer to the following Web page, order confirmation, and e-mail.
これはトリプルパッセージの問題導入文ですが、どういう種類のパッセージなのかがこちらで確認できます。問題導入文を読むだけで大まかな全体の流れが把握できるため、こちらを確認しておくことがとても重要です。
例えば、この問題導入文を読むと頭の中でこのような内容が想像できます。
「HPにサービス内容が書いてあり(Web page)、お客さんが何かを注文し、注文確認書(order confirmation)が届く。そしてそれに対する何らかの反応(e-mail)があった」
いかがでしょうか。たった1行の問題導入文でこれだけのことが分かります。なお、この予測は間違っていても構いません。大切なのは「どんな目的をもって書かれたパッセージなのか」を意識しながら読むことです。
Part7を苦手とする方は英文をただ順番に読解してしまいがちで、目的を掴むことを見過ごしてしまっています。参考として私の700点台前半時代の頭の中をご紹介します。
Questions 191-195 refer to the following Web page, order confirmation, and e-mail.
191. What information is included on the Web page?
(A) Business hours
(B) Reduced prices
(C) Food ingredients
(D) New options
「(いきなり問いを見て)HPにどんな情報が載っているか、か…え?どれもHPに載ってないけど!?うわ、どうしよう…」
→実はHPに載っていた価格は割引価格(Reduced prices)であることが3番目のe-mailに書いてあったのです。
このように、ただ英文解釈をしているだけでは正解にたどり着けない仕掛けがPart7には数多く用意されています。特に複数パッセージの場合は、各パッセージの関係性に注目し予測を立てて読むことが求められます。逆に、予測立てがうまくいけば英文を読む量は最小限で済みます。
これがPart7を「速く正確に」読む方法であり、900点を突破する具体的戦略です。多くの方が見落としがちな問題導入文に注目する戦略を是非今日から試してみてください!
4.必死に勉強して900点突破、努力は実る!

「TOEIC900点」という言葉、なんとなく英語が得意そうな感じがしませんか。実際900点以上(以下に紹介する表では895点以上となっています)に達している受験者の比率は3.5%とのことです。
私は750点を超えたあたりからこの「TOEIC900点」に憧れるようになり、必死にTOEICの勉強をするようになりました。しかしその後、なかなか900点に到達できないまま1年以上が経過してしまったのです。特に自分では得意と思っていたリーディングのスコアがなかなか伸びず、自信を失いかけていました。
その時に編み出した(というより気付いた)のが、先ほどの問題導入文を使って全体の流れを想像する方法です。最初は難しく感じるかもしれませんが、続けていればすぐに慣れます。なぜならTOEICは生活やビジネスに関するシチュエーションが出題される傾向にあり、数多く解いていればある程度予測が立てられるようになるからです。
内容はビジネスのやり取りや地域のイベントの準備についてのやり取りなど、ある程度パターン化されています。逆に、大学での履修に関するやり取りといったTOEFLのような問題はTOEICでは絶対に出題されません。
私は900点突破のために、リスニングパートは「リズミカルに解く」、リーディングパートは「Part5・6は短時間で解き、Part7は全体を俯瞰しながら丁寧に読む」をそれぞれ実践しました。その結果900点を超えることができたので、是非皆さんにもこの方法を実践していただきたいと思っています。
5.まとめ

今回はTOEIC900点を突破するための戦略についてお伝えいたしました。しかし冒頭でもお伝えした通り、900点は英語上級者の入り口でしかありません。英語学習は本当に楽しいので、900点を突破した後も是非学習を続けていってくださいね。Good luck!
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